Exhibition展示案内
TOKYO, Multi Layered City -Spinout-Dear neighbors,
2025.10.01Wed - 10.09Thu
小城 崇史
「東京を撮りたい」その思いだけで川のほとりに住むようになって、早2年の歳月が流れた。「水の低きに就く如し」と言い表したのは孟子(*1)だが、徳川幕府の入府以降町人の町として栄えるこの地域には、人々の心に安らぎを与える何かがあり、その真ん中に位置する川の存在が大きい。そして、その安らぎを享受しているのは人間だけではないことに気付かされたのは、実は割と最近のことだ。聞けば鳥類の生息地として劇的な変化を見せているのは、あの大震災(*2)以降だという。一方で、川沿いのテラスに目を向けるとあらゆる生き物がその存在を脅かされることなく過ごす様子が当たり前の光景として展開されており、江戸時代に公布された生類憐れみの令(*3)が今も生きているように感じられる。どうやら、水の低きに吸い寄せられるのは人間だけではないようだ。そこで川のほとりにやってくる隣人達=鳥類の姿を、彼ら彼女らの生活域を侵さないようそっと観察することにした。
これも、東京に生きる隣人達の一片であることが伝わればうれしい。
(*1)中国の思想家。ものごとが自然な成り行きで進むこと、人間には自然の流れは止められないことを意味することば
(*2)東日本大震災(2011)以降、ウミネコの営巣・繁殖が増加しているため、江東区・墨田区等隅田川流域沿いの自治体では防除対策を広報している。高層マンションの屋上などに営巣するケースも多く、その受け止め方も様々だ
(*3)江戸幕府五代将軍・徳川綱吉が発布した動物愛護を目的とした法令の総称。犬・猫・鳥・魚・牛・馬その他多くの生き物を対象としたとされる
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